LSDチューニング
BMWの25%LSDを50%にチューニング
する事でキロ1秒早くなる!絶対!!   

なんで早くなるのか、簡単な話し、路面伝達駆動力がUPするからです。
だから、運転の上手い下手に関係なく早くなります。
         
  

LSDのセッティング(チューニング)とは、ロック率及びイニシャルトルクをその車両の適正値にチューニングすることを言う。このセッティングが行えるLSDは、通称LOM(ロコオマティック)タイプの多板式LSDである。摩擦面数の変更や皿バネのレート変更にプレシャーリングの角度変更とかで様々なロック率とイニシャルトルクが実現できる。その点がこのLOMタイプの最大のセールスポイントでBMW、アルファにポルシェにフェラーリ、ランボルギーニにと多くの外車が採用している。


セッティングが必要なのはどうして?
前のページでLSDの効果を説明したけどLSDではコーナリング中の左右駆動力が不均等に配分されるから車の重心点回りにOSM(オーバステアモーメント)やUSM(アンダーステアモーメント)を発生する。 このOSMやUSMの値はロック率やイニシャルトルクに依存するからロック率の適正値に設定しないと十分なOSMを発生できずにコーナリング中に失速したり、USMが大きすぎてプッシュアンダーが大きくなったりとシャシー性能を十分に発揮できない。だからセッティングが必要なわけさ。LSDの性能の最適値は、車のシャシー性能と走行シチュエーションに左右される。具体的にはタイヤグリップ、ロール剛性、サスペンションジオメトリー、前後荷重バランス、トレット、重心高さロールセンターその他である。だからサスペンションを変更したり車高やタイヤをハイグリップにしたりするとリセッティングする必要があるンだ!また路面がドライ?ウエット?ダート?、サーキットなのそれとも公道?タイヤはスリック?ノーマル?なんてことでもLSDのリセッティングが必要となる。またBMWなどの様にノーマル状態であきらかにシャシー性能に対するLSDのロック率が低い車両も存在する。BMWの場合はチューニングは絶対必要だ!なんと25%である。Rtで言うところの1.66である。こりゃちょっと低すぎる値で試験しなくても計算しなくても低いと一目で分かってしまう。


最重要ポイント(最大OSM(オーバステアモーメント)発生ロック率)
最大OSMは、前頁のB高速コーナリングの状態で外輪駆動力が増加して発生するステア方向と同方向に発生するモーメントである。このOSMが最大となるロック率が車両の必要最低ロック率となる。一見するとロック率を上げる程,OSMが大きくなるように考えられるが、実際は、内輪のタイヤグリップ限界でOSMの最大値はきまる。実測する場合は、最大横Gでの旋回走行における駆動トルクを測定して求める。僕はこの値をデフロック(ロック率100%)〜ロック率40%の様々なLSDで測定したがこの値は見事に一致した。つまり、この最大OSM発生ロック率以上であればロック率をいくら上げてもOSMは変化しないのである。


最大OSM発生ロック率っていくつなの?
この値は上記したとおり、実車試験をすれば簡単に測定できるが、設備がなけりゃ無理である。しかし簡易的ではあるが車両のシャシースペックが正確にわかれば計算により近似値が導き出される。旋回中の車もケプラーの法則に従うし、重力なんてのも極めてバラツキがないので計算値でも実測値にかなり近い値となるだなこれが!計算式は極秘なんだけど、この値はタイヤのグリップ、重心高さ、横Gに比例して大きくなり、ロルセンター、トレッドに反比例します。

USMをいくつにするか?
これがLSDをセッティングする上で一番難しいことなんだ!USMというのは、ターンインでのタックインでの抑制や高速コーナリングでの安定性の向上に効果があるんだけど、大きすぎるとプッシュアンダーを誘発するから余り大きくできない。このプッシュアンダーをきらってワンウェイとか1.5ウェイ(注記:1)なんていうヘンテコリンなLSDもある。僕は、ワンウエイとか1.5ウエイは絶対つかわない!なぜならLSDの効果でUSMは非常に重要なファクターだからね!確かにワンウエイだとターンインでタックインしやすくなり車の姿勢を変え易いけど、裏を返せば低速でタックインスルって事だよね!ロック率が高い方が高速で進入できるから早くはしれるのに。事実ポルシェのようなリアヘビーな車両では、アクセルOFF側のロック率を大きく設定している。でもってUSMをどのくらいに設定するかだけど、これだけは計算じゃむり、やはり実車テストによるデータの測定が重要となる。僕は、タックインの抑制とプッシュアンダーのバランスを考えて設定するけどチューニングカーの場合は、安全第一だから多少プッシュアンダーが出てもタックインを抑制する方向で高めのセッティングをする。フェラーリ512とかのタックインって凄いからね!ビックリしちゃうくらい怖いよ!パン!クル!って感じだから!

注記:1 ワンウェイ、1.5ウェイとは、アクセルONとOFFでのロック率が異なるLSDでジムカーナ用として開発されたもの!アクセルOFFでロック率が設計上0%となるのがワンウエイでON側の半分となるのが1.5ウエイです。日本固有のLSDでジムカーナとドリフトアンチゃん用として人気があります。プロは使いません!多分



イニシャルトルクをいくつするか?
イニシャルトルクは直進性やレーンチェンジでの収束性の効果があります。
特に直進性に与える影響が大きいです。アウトバーンの国ドイツではノーマルデフでも多少のイニシャルを与えて直進性を向上させていますから。それからレーシングカーなどではもっと重要です。日本一早い男として有名なH選手の走りは、イン側縁石を跨ぐように走ってます。敢然にインリフトした状態で駆動力を確保するにはイニシャルトルクが必要不可欠です。また耐久車両では、どんな事になってもピットに戻ることが重要ですから片輪で走行可能な高いイニシャルトルクが負荷されています。
但しイニシャルを上げ過ぎると、バキバキ音やプッシュアンダーが発生するのでチューニングカーでは、レーンチェンジでの安定性と直進性の確保を念頭においてセッティングしていきます。また足回りのセッティンとイニシャルトルクは、密接な関係にあります。サスペンション剛性の高い、ショートストロークタイプの場合は、タイヤ接地圧変化が大きいのでイニシャルを高めにしてトラクションを稼ぎます。
 それと、フロントのヘビーなFR車なども、イニシャルを高めにセッティングします。

但し、雪国で走行する車両の場合は、イニシャルを上げ過ぎるとABSの制御機構に影響を与えるので余り高くできません。



実際のセッティング
下の図はBMW用のZF製LSD(LOMタイプの元祖です)実際のセッティングは、8、9番の板の配列を変えたり7番の皿バネの枚数を変更することで行います。たけど湿式多板クラッチですからセッティングは凄く難しいです。乾式多板とことなりオイルがついた多板は非常に複雑な性能を示すのでケッコウ大変です。現在ATOではZF製LSDを中心に行ってます。もちろん国産LSDもOKです。車種としては、BMW、フェラーリ、アルフアロメオ、国産は、日産系、マツダスピード、TRD、三菱系のLSDはチューニング可能です。

BMW純正ZFLSDチューニングスペック&チューニング料金
(E30~E34まで2.0リッター以上のBMWは、全てチューニング可能です.)


LSDサイズと料金

SDサイズM:E30(320、325、M3)E36(325〜328、M3B)
        Mクーペ,Mロードスター
        E28、34(520、525、535、530)
        注記:320、535はサイズ確認が必要ですので車体番号をお知らせ
           下さい。
チューニング料金
デフキャリア単体:
85,000円(バックラッシュ調整込み)
         
 オプション料金:オイルシール交換(
1,900円×2=3,800円
        :ベアリング交換(
5,250円×2=10,500円

 車両載せ下ろし:25000円(横浜に車両持ち込みできる場合)
   LSDオイル:
2500円/1P×2=5,000円
     

LSDサイズL:E36M3C、M6、E28M5、E34(M5、540)
デフキャリア単体:
125,000円(ケース加工、ベアリング交換バックラッシュ調整込み)
※Lサイズは、ケース加工が必要となりますのでベアリングは再使用できません!
          
 オプション料金:オイルシール交換(
2,700円×2=3,400円


 車両載せ下ろし:
25000円(横浜に車両持ち込みできる場合)
   LSDオイル:
2500円/1P×2=5,000円

尚、2001/12/27現在、都合により車両載せ下ろしは、都合により行っておりません!