LSDのロック率について
LSDのロック率っていうのは、(詳細はLSDって何?を見て下さい。)簡単に言うとLSDの効き具合です。0%がノーマルデフで100%が直結デフロックですね。だからパーセンテージが大きい程、差動制限力は大きくなります。じゃあ、ロック率はいくつくらいが良いのか?BMWの純正は25%、僕のチューニング使用で50%、国産車スポーツカーやポルシェも50%前後、アフターメーカのATSやKAAZは、100%以上(ほぼでフロック)では、ロック率でどんな違いがあるのか、図1を見て下さい。
これは、僕が昔、試験した車のデータです。(国産ーボ車での2nd,全開走行)速度、ヨーレイト、横G等のデータからコース上での車両の旋回軌跡を2次元表示したものです。この図だと、普通の方には解り難いので、図2を見て下さい。これは図1を近似したものです。注目してもらいたいのは、ロック率75%と50%でリバースポイントの位置が75%の方が外側にズレていることです。この車のロック率の最適値の理論値は43%です。50%は、ほぼ理論値近傍ですので、初期アンダーも小さいですが、理論値より大きい75%では、初期にアンダーが大きくなることが解ると思います。BMWをはじめ、現行の生産車のロック率の理論値は40〜50%です。理論値は車高が低く、トレットが広いほど、小さくなります。年々、ワイド&ロー傾向のスポーツカーでは、理論値は40%以下です。また理論値以上にロック率を大きくしても、旋回能力は変化しませんので、ロック率はその車両の理論値以上に大きくすることは、初期アンダーなどのデメリットが大きくなります。ただし、タックインを抑制するため、理論値40%の車両で50%60%にすることもありますが、100%とかは、論外です。一番下の図はイメージイラストです。
実際の試験風景