(1)ノーマルからの変更個所
ENG  :5.6→6.0PにUP(ピストン、クランク、コンロット他変更)
ブレーキ :前後apに変更(F:6POT+355 R:4POT+330)
スプリング:NHKに変更
ダンパー :エナペタル社製に変更 

ここまでが僕がこの車に手を加える前の状態です。細かいところも色々チューニングされてるけど、省略しました。ありすぎて書けないから(笑)

(2)クラッチがあああ?
この車に乗って、名古屋まで行った時の話しなんですけど、早い、早い!
6.0の12気筒で500PSですから、どこから踏んでも加速しちゃうし
850自体高速巡航性は優れているのでラクチンチンでビューット走って
たんですけど、途中でディアブロがコーーーン!って抜いて行ったので
カコーンってシフトダウンして、ガバ!って踏ンで追い掛けていったら
6速5000くらいで速度が伸びない?あれ!メータも止まってる!
あれ!タコメータは動いてる6000だああ!
結局クラッチが滑りでした。原因は、ペラペラの軽量フライホイールの
強度不足というか変型でした。
あえなくノーマルに交換です。
まあアイドリングが安定しなかったのもこの軽量フライホイールが原因だったらしくノーマルに交換して治っちゃいました軽量するのもいいけど、ちゃんと考えないとだめですね!

(3)リアブレーキがききすぎる!
首都高なんかを走っていて気付いたんですけど!リアブレーキが強すぎるようでコーナーでブレーキを踏むとリア早期ロックというとても危ない状況になっているようでした。そこで確認しなきゃと、ABSのセンサーをはずして、ABS無しでブレーキ!ああああ!リアから真っ白な煙りがバットと上がって後ろが見えなく
なっちゃいました。けっこう恐かった!100キロチョットしかでてなかたけどやっぱ恐いです。
でもって、良く調べてみると、フロントが355mmでリア330mmロータってのはどう考えてもミットシップカーのバランスでFRとしては、リアのロータが大きすぎる
計算すると全然リアが強いことが分かった!
対策は、リアブレーキロータをノーマルに戻す事にした。pバルブをつける方が簡単だけど、ブレーキの引きずりでキーキーうるさかったのでノーマルに変更ってことになった。

(4)サスペンションがダメだあ!
僕が手を加える以前からこの車には、エナペタル製のダンパーとNHKのスプリングが装着されていた。このサスペンション自体は悪くは無い!ノーマルの850なら十分ですぎる性能である。乗り心地もよいし、スタビリティも高いが?パーワーが肥大したこのCSiでは、足がパワーについてこない!というか、エンジンのパワー、レスポンスと足のマッチングが悪いのである。余談であるが、車のエンジン性能とシャシー性能には絶妙なバランスがあり、チューニングカーは、このマッチングが一番難しいのである。どちらが勝っても負けても、ドライブフィールに何らかの違和感が生じる!この辺がレースカーと違うところ!レースは速さが一番だからね。
話しを戻してと、そこで僕は足回りをバラシテ!アームの長さやバネレートなんかを測定して固有振動数や減衰比を計算した。するとビックリである!振動数が低すぎる言い方を変えるとバネレートが低すぎるのである。そこで全面的にサスペンションの見直しを行った!バネレートを上げるのであるがロードカーである以上、上げ過ぎるとストロークがなくなり!限界付近でピーキーな車になるので危険である!
200km/hくらいの速度までなら、メチャクチャなレートでもいいがこの車は300に楽々とどく車であるからバネレートと自由長の選定は結構大変であった!
理想を言えば、ワンオフで製作したがったが、コストを考え汎用品を使用した。
フロントについては車高調整式に加工しリアについてもアルミと樹脂スペーサで調整できるようにした。もちろんダンパーの減衰力を全て見直した。製作はエナペタルさんに依頼して。取り付けは伊藤レーシングさんの工場をかりて行った、なぜ伊藤レーシングかというとタワーバーとロアメンバーの補強それとマフラーの変更を同時に行うため!

(5)トリプルネームサスペンション1号(ATO・エナペタル・ビルシュタイン)
サスペンションが完成したので朝一の新幹線で伊藤レーシングに向かった!
伊藤レーシングにつくと!タワーバーの溶接がキラキラと輝いている?あれ?チタン
製作してくれたT氏いわくチタンだと色塗らなくていいでしょ!だって!
チタンの加工をちょいちょいとやっちゃう伊藤レーシングはやはりスゴイ!
新しいサスペンションとタイヤをPゼロからS−02に交換して伊藤レーシングを後にした。高速までは、下りの山岳コース、道は狭いが見通しは良い!ハンドリングのテストには最高である。走りだして直ぐフロントの動きが良くなったこと!それとリアをグリップ感が良くなったことを感じた!言い換えると車が小さくなったような感覚である。小さなコーナをクイクイとまがっていく!おおお!最初にしては良いなあさすが俺!と思っていた・・・・・高速に乗りビューット加速して東名を横浜へ向け走り出した。加速時の姿勢、ダブルレーンチェンジ、ブレーキング!全て問題ない!
だけど超高速では、問題ないのだが道路状況により速度計の針が真中くらいになると若干の微振動がお尻に伝わってきた!あちゃあ〜だめだ〜〜!見直しだあ!
レートかな?減衰力かなあ?タイヤかな?と考えてる内に横浜に着いた。

(6)トリプルネーム2号
オフィスに帰り、減衰力の実測データを元に計算する!う〜ン実に難しい値である!
取りあえずリアを減衰比が高いようなのでバネレートを上げて減衰比を下げた。
若干よくなったがやはり、若干振動する!で今度はダンパーの減衰力とガス圧を変更した。これで微振動も消えたしやっと納車できる!4輪アライメント調整してやっとサスペンション完成した。フィールは
今までの、ややダルであった、ステアフィールが嘘のように改善され、コーナリングの楽しさが倍増した。またレーンチェンジでのヨーレスポンスやヨーの収束も大変良く新規マフラーの乾いたサウンドとパワーが相まって2トン弱の車両とは、思えないシャープフットワークはM8を彷佛させていた。さすが俺である!つるしのキットサスじゃここまで良くはならないチューニングダンパーならではのできであり、僕も満足していた。

(7)トリプルネーム2号に不満が
しかしである。この時、同時にチューニングを進めていたフェラーリF328のJRZ
ダンパーの絶妙のフィールがこのサスペンションの評価を下げた。
ビルシュタインの荒削りな部分が気になり出す、段差での突き上げや、アクセルON,OFFでのピーキな挙動は、テールスライドしやすく、パワーオンでの駆動力の掛かりも悪い。どうにもサスペンションを固めましたと言った感じに思えてしまう。
人間は、非常に敏感で贅沢である。最高に良いもの上手いものを味わってしまうと、
いままで最良と思われていた物の欠点ばかり気になってしまう。
又、この頃CPUのリセッティングしてしまった!エンジンは、更に鋭く吹け上がり、低中高速全ての領域でトルクが増大している。これにより、ビルシュタインの評価がまた下がってしまった。そこでビルシュタインを又リセッティングしたが問題点を解決できない。原因は微低速領域での減衰力のセッティング幅である。
ダンパーのセッティングは、ピンポイントである。
最良のポイントは、極めて薄い領域に存在し、計算と経験だけでは、その値をなかなか見つけられない。やはり実走行でのセッティングが不可欠である。
ビルシュタインは、モノチューブ高圧ダンパーの傑作であり、世界中のスペシャルカーが採用している。しかし量産品結えの性能限界が存在するのも事実である。


つづく